作家 柳田邦男氏推薦!
人間と社会を見るにあたって、いちばん大事なことは、「事象の重大性に気づく感性」であり、「本質を見抜く考える力」であり、「全容をとらえる思考の枠組み」である。本書は、戦後公害の原点である水俣病を出発点にして、国内と世界の重要な公害・環境破壊の具体的事件を語りつつ、同時にそれらに内在する本質的問題を解き明かしていく。国家権力の僕に堕した学問の洗脳の場である東京大学で、権力に倚りかからず、立身出世にも企業の利潤追求にも役立たない本質をとらえる学問を、時代状況と呼応させつつ“自主講座”という方法で、学生や研究者や一般市民に語り続けたこの分厚い記録は、30年以上経った今も、宇井氏の肉声が聞こえるような新鮮な響きを持っている。そこには、歳月を超えて普遍性のある、事象の本質をとらえる「感性」と「考える力」と「思考の枠組み」が語られているからだ。 〈帯より〉