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聖子 新宿の文壇BAR「風紋」の女主人

聖子
著者 森 まゆみ
価格 1,980円(税込)
発売日 2021年10月23日
判型 四六判
製本 上製
頁数 304頁
ISBN 978-4-7505-1709-4
Cコード C0095
電子書籍発売中

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内容紹介

太宰治「メリイクリスマス」のモデルとなる凛とした少女は、生涯かけて人びとに、居心地のよいサロン、帰る場所をひらいた――

文学者、思想家、映画人、出版人たち……どんな人をも受け入れる酒場は、戦後文学史を確かに支えた。林聖子の九三年と「風紋」の六〇年を聞く。



アナキストの画家の娘として生まれ、宮嶋資夫、辻潤らを間近に育ち、戦後、太宰治の「メリイクリスマス」のモデルとなり、生き抜くためにバーを切り盛りする。

そのバー「風紋」は多くの文化人、文学者、映画人、出版人を惹きつけた。

誰も特別扱いしない無欲で無私な人柄から生まれたアジール。
檀一雄、竹内好、古田晁、浦山桐郎、粕谷一希、勅使河原宏……綺羅星のごとく集う人々との交友録であり、力強く生きたひとりの女性の人生の記録。



《「風紋」に集った人々》
檀一雄・古田晁・唐木順三・井伏鱒二・吉村昭・木山捷平・竹内好・橋川文三・色川武大・埴谷雄高・中村稔・安田武・北原武夫・辻まこと・鴨居羊子・松山俊太郎・種村季弘・高田宏・粕谷一希・田村隆一・中上健次・洲之内徹・浦山桐郎・大島渚・吉田喜重・勅使河原宏……



【もくじ】
第Ⅰ部 戦前篇
1……林倭衛、画家を目指す
2……出獄の日のO氏
3……林倭衛、クライスト号でフランスへ
4……大杉栄、パリに現れる
5……セザンヌのアトリエ、エクス・アン・プロヴァンス
6……秋田富子と結婚、聖子が生まれる
7……伊豆静浦から小石川小日向水道町へ
8……もう一人の画家・硲伊之助のこと
9……宮嶋資夫と度重なる引っ越し
10……母はサナトリウムへ
11……父の死

第Ⅱ部 戦後篇
12……太宰治との出会い
13……玉川心中
14……出英利のこと
15……「世代」と出英利のあの頃
16……舞台芸術学院と青俳、「宏くん」のこと
17……新宿でバーを開く
18……ダン街道――檀一雄と第三風紋まで
19……カウンターの中の女性たち
20……竹内好墜落事件と火曜会
21……風紋課外部――スキーにゴルフに温泉に
22……最終回――嵐のあとに

■あとがき
■林倭衛・林聖子のまわりの人々
■林聖子関連年表
■参考文献


【書評・メディア情報】
■北海道新聞(11月21日)/紹介(「書棚から歌を」田中綾・北海学園大学教授)
■日本経済新聞(12月4日)/短評
日刊ゲンダイDIGITAL(12月8日)/紹介「ノンフィクションが面白い」
■週刊新潮(12月9日号)/短評
■婦人公論(12月28日・1月4日合併特大号)/短評
■図書新聞(12月18日)/21年下半期読書アンケート(森元斎氏・哲学、思想史)
■しんぶん赤旗(12月19日)/短評
■読売新聞(12月26日)/読書委員が選ぶ「2021年の3冊」(橋本倫史氏・ノンフィクションライター)
女性セブン(12月9日号)/著者インタビュー
2022年
■東京人(1月号)/紹介
■サンデー毎日(1月16日号)/書評(平松洋子氏・エッセイスト)
■東京新聞(1月8日)・中日新聞(1月9日)/書評(中沢けい氏・作家)
■秋田魁新報・高知新聞(1月15日)/書評(中島悦子氏・詩人)
■山陽新聞・下野新聞(1月16日)/書評(中島悦子氏・詩人)
■信濃毎日新聞・神戸新聞(1月22日)/書評(中島悦子氏・詩人)
■新潟日報・中國新聞・大分合同新聞・熊本日日新聞・河北新報・徳島新聞・岩手日報(1月23日)/書評(中島悦子氏・詩人)
■朝日新聞夕刊(1月26日)/「とれたて!この3冊」(東えりか氏・書評家)
HONZ(2月2日)/朝日新聞夕刊(1/26)の記事転載
■京都新聞(1月29日)/書評(中島悦子氏・詩人)
■神奈川新聞・長崎新聞・佐賀新聞(2月6日)/書評(中島悦子氏・詩人)
■岐阜新聞(2月13日)/書評(中島悦子氏・詩人)
■西日本新聞(2月19日)/書評(田村元彦氏・西南学院大学法学部准教授)
■陸奥新報(3月28日)/紹介(「文芸時評」斎藤三千政氏・弘前ペンクラブ会長)




著者紹介

森 まゆみ
1954年生まれ。中学生の時に大杉栄や伊藤野枝、林芙美子を知り、アナキズムに関心を持つ。大学卒業後、PR会社、出版社を経て、84年、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊。聞き書きから、記録を記憶に替えてきた。
その中から『谷中スケッチブック』『不思議の町 根津』(ちくま文庫)が生まれ、その後『鷗外の坂』(中公文庫、芸術選奨文部大臣新人賞)、『彰義隊遺聞』(集英社文庫)、『「青鞜」の冒険』(集英社文庫、紫式部文学賞受賞)、『暗い時代の人々』『谷根千のイロハ』(亜紀書房)、『子規の音』(新潮文庫)などを送り出している。
近著に『海恋紀行』(産業編集センター)、『路上のポルトレ』(羽鳥書店)、『しごと放浪記』(集英社インターナショナル)がある。

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