2000万円足りない人の、とりあえずの500万円 佐藤治彦

2021.1.7

15本を出します!

 

 あけましておめでとうございます。2021年になりました。
 考えてみると、この連載を初めて、すぐに新型コロナウィルスの世界的な流行で私たちの生活は一変しました。
 月の真ん中くらいになると、来月はどんなことを書こうかと考えて、月の最後の10日くらいで書き上げるということを繰り返してきました。その間に私たちの社会と生活は大きな変化を求められました。
 リモートワークやソーシャルディスタンス。新しい日常には、いろんなことに私たちは対応しました。対応しきれなくなり、生活が壊れてしまった人も少なくありません。しかし、時おり言われる、コロナによって自殺者が増えたというのは、ちょっと違うと思います。確かに自殺者は増えているのですが、経済的な困窮のために自死を選ぶ人はそれほど増えていません。人はたとえ困難に状況になったとしても、力強く生き抜いていこうとする人が多いのです。
 明るいニュースとしては、皆さんご存知のように、アメリカやイギリスでワクチン接種が始まりました。日本でも今年の中頃には多くの人が受けているでしょう。もちろん、コロナの変異種が猛威を振るっているというニュースも聞かれ、安心はできませんが、この異常な時間があと2年も3年も続くとは思えません。そして、この異常な時間で生まれた「新しい日常」の多くは、まともで普通の世界に戻った後は、もはや「新しい日常」として続かないことも少なくないと思うのです。
 人と人が直接会う、話す、交流する。私たち人間には、それは根源的なものだと思うからです。
 この連載は、亜紀書房にお勤めのAさんという編集者との出会いで始まりました。彼女とは、すでに別の出版社で1冊本を出しています。『しあわせとお金の距離について』という書物です。そして、いま次の本の出版を計画しています。そして、その執筆に集中したいので、この連載をひとまず休息したいと思っています。
 次の本のタイトルはわかりませんが、おおよそ次のような形で書き上げたいと思っています。第1章は、コロナの後の私たちの生活についてです。私は山ほど買い物をする生活も、極端な断捨離生活も避けたいと思ってます。従来、アジア人、特に日本人は中庸を好むものだと思うのです。白黒でなく、ちょうどいいかげんがいいのです。白も黒もすぐに汚れてしまいます。しかし、その中間はそんなことはありません。人それぞれ、その濃さは違うと思います。若い時と年齢を重ねた時も違います。コロナで、その大切さを改めて浮き彫りにされたと思うのです。第1章では、私たちの生活をより安定させ、心地よいものにするための、新しい消費生活のあり方について考えてみたいと思っています。
 第2章は、主として女性のための年金の話です。女性ならでは知っておいていただきたい年金の話をわかりやすくお話ししたいと思っています。今まで多くの書籍で生活に必要な経済とお金の話を書いてきましたが、この大切なことをほとんど書いてこなかったことに気がついたのです。そして、このことを分かりやすく書いている書物もほとんどないことに気がつきました。とくに40歳くらいから、60歳前後までの女性にはぜひ読んでいただきたいです。老後を安心して迎えるための必須の知識を学んでいただきます。この文章に関しては、すでに書き上げていて、いま、名うての女性編集者のAさんに読んでいただいています。分かりにくいところがあったら、何回でも訂正を入れ、また、図なども使って分かりやすく知っていただきたいと思います。何しろ、年金はきちんと知って自分で手続きをしないと、どんどん損をしてしまうものだからです。
 第3章は、民主主義社会に生きている私たちの年金、福祉、税金、教育といった生活に密着する事がらについて、社会はどういう方向に進んでいけば、いいのか考えたいと思います。いまのメディアでは、超高齢化社会、国の借金が1000兆円で財源はほとんどない。福祉も年金も削っていくしかないと、暗いことばかり言っています。本当にそうでしょうか? 私たちの社会が変わることによって、もう少し多くの人が安心して暮らしていける日本に変えられるのではないでしょうか? そんな生活に身近な話をわかりやすくお話ししたいと思ってます。第4章は、2000万ない人のとりあえずの500万円と題して、最新の少しでもお金を増やす知恵と技術をお話ししたいと思います。クレジットカードのことから、住宅のことまでお話ししたいと思います。
 第5章はお金やつまらないものごとに、豊かな人生を奪われないために、です。この連載で評判がとても良かった回の一つは、私の同窓会欠席の話でした。私は本を出すようになってもうすぐ30年です。この30年の間、サインを求められると、その多くに書き添えてきた言葉があります。それは、「お金がなくては生活はできない。お金があっても幸せにはなれない」ということです。お金は生きていく上で大切です。そして、お金は用心しないと人の心を奪います。今までお金のことでどれだけの犯罪が起きたでしょう。そうでないとしても、お金のことで嫌な思いをしたことも少なくないはずです。反対にお金をうまく使うことで、幸せな気分になったこともあると思うのです。
 この10年書いてきた本の中には、そんな話を織り交ぜてきたのですが、次に出す本でも、そんなマネーエッセイをいくつか書いてみたいと思います。
 これらは、すべて予定です。第2章までやっとたどり着いた状態ですので、書き上げた時には内容が変わってしまうかもしれません。コロナの終わりが見えてきたいま、この本の執筆に集中したいので、しばらく、この連載はお休みします。連載休憩中に佐藤はこんなことに取り組んでいるんだとわかっていただけたらと思い書かせていただきました。
 そして、皆さんにお願いです。本をどうか買って読んでいただきたいです。物を書くということを職業にすることを可能にするためには、本を買ってくださる読者がどうしても必要です。皆さんの街からも本屋さんがなくなっているでしょう。それは、出版文化がどんどん崩壊していることを意味しています。特に私の本は、ご家族で回し読みをしてもらいたい、しばらくしたら読み直してもう一度考えてみていただきたい。そういう書物ばかりです。ですから、買っていただいて、皆さんの家の書棚の片隅においていただきたいのです。書物は私の心と肉体の分身です。どうか、あなたのうちにおいてやってください。そして、気が向いたらいつでも取り出して、読んでいただきたいのです。


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亜紀書房・編集部:akichi@akishobo.com

(第15回・了)

この連載は月1回更新でお届けします。
次回2021年2月7日(日)掲載