コロナウイルスのグローバルなパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻など、近年立て続けに起きた想定外の出来事によって、私たちの生活は歴史的な激変を経験しつつある。これらは、控えめに言っても、未来の世界史の教科書に載るに違いない出来事だ。
ただ、コロナの猛威やロシアの暴挙が起きていなかったとしても、そもそも、日々の生活において、一歩先は闇である。例えば、日本のような国に暮らしていれば、明日大地震が来て、すべてが破壊し尽くされるということは十分想像できる。そんな大ごとでなくとも、買い物に出かけて、交通事故に巻き込まれることもありうる。新型のコロナウイルス以外の極々ありふれたウイルスによって命を落とすこともあるかもしれない。要するに、私たちの生は偶然性と不確実性に満ち溢れているということだ。

科学と民主主義
いま地球は、地層学的に「人新世」という新たな時代に入った。人新世とは、人類の活動が地質に痕跡をのこすほど環境に多大な影響を及ぼす時代のことをいう。そこには、温室効果ガスの排出量をはじめ、遺伝子の操作など身体への介入も含まれる。このような時代に、代表制民主主義は、まだ十分に役割を果たすことができるだろうか。
代表制民主主義は、一つには利害集団の調整であるとも言われる。果たして、私たちは遠い未来の他者の利益をどのように守ることができるだろうか。未来に合わせて、代表制民主主義の仕組みを変えることはできるのだろうか。
2023.12.4

裏庭のまぼろし
さまざまな果樹や草花の生い茂る裏庭と、古い蔵の残る大阪の家には、もう誰も住んでいない。静かに時を刻むその場所は、なつかしい人びとの気配を漂わせ、時代の記憶をいまに伝えている——将校として赴任した異郷の島々から恋人に手紙を送りつづけた大叔父、軍事研究に深くかかわることになった祖父、裏庭の豊かな自然とともに生き、家族の暮らしを支えた祖母たち。文化人類学者である著者が家族史をひもときながら、戦時下を生きた人びとの日常を描くエッセイ。
2023.12.1

リキッド・アマゾニア
薬草、幻視、シャーマニズム……資本主義・科学主義が周縁化する南米アマゾンの世界は消失の危機に晒されながらも、液体のように周囲と混じり合い現代に憑依する——南米エクアドルのアマゾン熱帯雨林に一人飛び込んだ若き人類学者は、先住民シュアールの人々と生活を共にしながら、自らの身体と知覚を通して、森の中で無限に生成される知と現実を経験する。境界が融解する時代に人と自然のあり方を根源から問うノンフィクション!
2023.11.30

ニューヨークで考え中
一年だけのつもりが、気がつけばニューヨークに住み始めて早15年。まばゆい摩天楼都市の片隅で拾い集めた日々のあれこれを、見開き2ページ、一話完結のスタイルで描く、等身大のつれづれNYコミックエッセイ!
2023.11.30

ニューヨークで考え中
一年だけのつもりが、気がつけばニューヨークに住み始めて早15年。まばゆい摩天楼都市の片隅で拾い集めた日々のあれこれを、見開き2ページ、一話完結のスタイルで描く、等身大のつれづれNYコミックエッセイ!
2023.11.16

裏庭のまぼろし
さまざまな果樹や草花の生い茂る裏庭と、古い蔵の残る大阪の家には、もう誰も住んでいない。静かに時を刻むその場所は、なつかしい人びとの気配を漂わせ、時代の記憶をいまに伝えている——将校として赴任した異郷の島々から恋人に手紙を送りつづけた大叔父、軍事研究に深くかかわることになった祖父、裏庭の豊かな自然とともに生き、家族の暮らしを支えた祖母たち。文化人類学者である著者が家族史をひもときながら、戦時下を生きた人びとの日常を描くエッセイ。
2023.11.15