曾祖母のことは、写真でしかみたことがない。家の石垣の前で、椅子に座った曾祖父の隣にしゃがんでいる姿。縁側に座布団を敷き、曾祖父と並んで正座している姿。眼鏡をかけて座卓の前に座り、裁縫をしている姿。いつも控えめに微笑んでいる写真の中の面影から、素朴で温和な人柄が伝わってくる。

裏庭のまぼろし
さまざまな果樹や草花の生い茂る裏庭と、古い蔵の残る大阪の家には、もう誰も住んでいない。静かに時を刻むその場所は、なつかしい人びとの気配を漂わせ、時代の記憶をいまに伝えている——将校として赴任した異郷の島々から恋人に手紙を送りつづけた大叔父、軍事研究に深くかかわることになった祖父、裏庭の豊かな自然とともに生き、家族の暮らしを支えた祖母たち。文化人類学者である著者が家族史をひもときながら、戦時下を生きた人びとの日常を描くエッセイ。
2023.10.1

ゆめみるナッティー・ナンバーズ
なんて日だろう。今日はなにもかもへんてこりん。ゆめみる少女ナッティー・ナンバーズが迷い込んだ先は、見たことのない別世界への入り口――。佐々木マキがおくる、アヴァンポップなコミック連載!
2023.9.21

ニューヨークで考え中
一年だけのつもりが、気がつけばニューヨークに住み始めて早14年。まばゆい摩天楼都市の片隅で拾い集めた日々のあれこれを、見開き2ページ、一話完結のスタイルで描く、等身大のつれづれNYコミックエッセイ!
2023.9.21

裏庭のまぼろし
さまざまな果樹や草花の生い茂る裏庭と、古い蔵の残る大阪の家には、もう誰も住んでいない。静かに時を刻むその場所は、なつかしい人びとの気配を漂わせ、時代の記憶をいまに伝えている——将校として赴任した異郷の島々から恋人に手紙を送りつづけた大叔父、軍事研究に深くかかわることになった祖父、裏庭の豊かな自然とともに生き、家族の暮らしを支えた祖母たち。文化人類学者である著者が家族史をひもときながら、戦時下を生きた人びとの日常を描くエッセイ。
2023.9.15

科学と民主主義
いま地球は、地層学的に「人新世」という新たな時代に入った。人新世とは、人類の活動が地質に痕跡をのこすほど環境に多大な影響を及ぼす時代のことをいう。そこには、温室効果ガスの排出量をはじめ、遺伝子の操作など身体への介入も含まれる。このような時代に、代表制民主主義は、まだ十分に役割を果たすことができるだろうか。
代表制民主主義は、一つには利害集団の調整であるとも言われる。果たして、私たちは遠い未来の他者の利益をどのように守ることができるだろうか。未来に合わせて、代表制民主主義の仕組みを変えることはできるのだろうか。
2023.9.13

ニューヨークで考え中
一年だけのつもりが、気がつけばニューヨークに住み始めて早14年。まばゆい摩天楼都市の片隅で拾い集めた日々のあれこれを、見開き2ページ、一話完結のスタイルで描く、等身大のつれづれNYコミックエッセイ!
2023.9.7