2000万円足りない人の、とりあえずの500万円 佐藤治彦

2020.5.7

07おうち時間が長い今こそしておきたいこと

 

緊急事態宣言が延長されました。正直申し上げると、私などはストレスが溜まっていて、そろそろ限界が近いなあと思ってます。それに政府のコロナウィルス に対する対策や生活や事業への支援などいろいろと思うのところも山ほどあってやきもきもしています。それでも、全世界で1億人が死んだとも言われるスペイン風邪からほぼ100年ぶりの世界的な感染症の危機。ここを生き延びなくてはなりません。特に医療崩壊が懸念されるいま、まずはコロナにかからない、うつされないためにできるだけステイホームすることが大切なことだけは間違いないようです。

しかし、新型コロナウィルス 問題を深刻化させているのは、この10年で確実に広がった格差問題であることは間違いありません。今や貯蓄がないのも当たり前だからです。 こうした貯蓄がなく、非正規の方などで仕事が大幅に減り、それとともに収入も減ってしまった人はどれほど不安に思われてるのでしょう。ストレスで限界などと言ってる自分よりもっと追い詰められた人が多くいるのが現実です。私はネット上で、全く不十分で使いずらいものではあるものの、今ある公的機関の援助や支援について、解説したり、まとめたりしています。僕の名前とコロナなどで検索をかけて探してみてください。

皆さんに知っておいてもらいたいことは、まずは、ほとんどの支援は自ら手を挙げて手続きをしないともらえないということです。特にお子さんが小学生などで仕事を休んだ場合、フリーランスや小さな事業をされている方でも6月末までの日数分、1日4100円の「新型コロナウィルス 感染症による小学校など休業に伴う保護者の休暇取得支援」がもらえます。当初は3月末までが対象でしたが、期間が6月末までと延長になり、それ以前は、学校が当初から開かれる予定の日程だけが対象でしたが、今は、土日や祝日などの分もお金が出るようになりました。対象の方はもらうともらわないとでは収入に大きな差がつきますので是非トライして見てください。

また、個人向けの家賃補助政策である「住居確保給付金」はご存知でしょうか? 場合によっては75%の家賃補助がもらえます。返済不要です。従来と違ってコロナ対応でもらいやすくなっています。日々の生活費に待った無しで困ってらしゃる方向けの最高80万円まで無利息、保証人なしで貸してくれる、また、場合によって返済免除のこともある「個人向け緊急小口資金」と「総合支援資金」などもきちんと調べていただきたいと思います。

いま紹介したのは国の制度ですが、各地方自治体でも独自の救済があります。それも、都道府県レベルのものと、また市区町村で独自に行うものがありますので、それぞれのお住まいや勤務先の自治体のホームページなどで、調べていただければと思います。

これらは教えてくれるのを待っていても誰も教えてくれないもの。のんびりしている間に申請締切日時が来てしまったりします。どうか、ステイホームしている間に、調べて申請してお金をもらうことをしてください。行政機関からお金をもらうのも、考えてみると、消費税や所得税、住民税などで収めた税金が元手です。堂々と申請しましょう。分かないことは、分からないと伝えましょう。

ステイホームで一番大切なのは、自らもらう権利のあるものをきちんと申請して手にすることです。そして、その次にしておきたいことは普段は忙しくてなかなかできないことに挑戦してみることです。これも、家にいる時間が長い今だからこそ取り組みたいことです。


Q あなたがいつかは取り組まなくちゃと思いながらも、先延ばしにしていることって何がありますか?

日々の雑事に追われて私たちはいろんなことを先延ばしにします。毎日が忙しいし、疲れもあるものですから、そこに何か新しいことを付け加えること自体が大変難しいです。行動に移すのはエネルギーがなくてはなかなかできません。それに、新しいことはいろいろと調べたり、迷ったりしてストレスも大きいものです。

例えば、保険の見直し、電気ガスなど公共料金の契約、住宅ローンの見直しや賃貸住宅は今のままでいいのかどうか。契約したままでほとんど使ってないケーブルテレビやペイチャンネル、プロバイダーの契約、携帯電話の契約。クレジットカードやポイントサービス、マイレージなどのポイントなどがどのくらいあって、有効期限はいつまでかを調べる。イデコやニーサの勉強をする。

これらは時には何十万円、何百万円も得したり損したりします。ですから、是非とも考えたいことの一つです。見直しや新しい商品やサービス。それについての勉強は、できれば先延ばしにしないで、はじめてみましょう。

例えば、Ideco(イデコ)。これは、個人型確定拠出年金制度のこと。こういう言葉に不慣れな人にとってはチンプンカンプンでしょう。老後の資金を貯めるのに得になることがあるものなのですが、本当なのか? 毎月の貯蓄はこのままでいいのか? 勉強しておきたいものです。このことは、また別の機会にきちんと説明しますね。

自分の加入している生命保険や医療保険は見直して見るとき、無料で相談できるところがあるらしいから、相談に行ってみようとなります。分からないことがあるから、誰かに質問してみよう、相談してみよう。しかし、その態度こそ危ないのです。無料というのは無料でないのです。もちろん相談したからお金を払わなくてはいけにということではないのですが、誰かが、相談員のお金を出していないとそのオフィスは家賃も人件費も賄えません。

建前上は、中立な立場で相談に乗ることになっていますが、そこは保険を売る店で、相談員はもともと販売する人ですから、マネージャーなどから、どのくらいの売り上げがあったかと評価を受けている人です。ですから、相談しに行くと、最終的には保険商品をどう買ってもらうか、契約してもらうかという思惑がどうしても拭えないものです。本来の保険の見直しということであれば、果たしてその保険が必要なのか? ということから考えなくてはいけません。不要な保険に入っていても仕方がないからです。しかし、保険代理店に相談しに行って、あなたは生命保険はいらないから解約して辞めてしまっていいです、とはなかなか言ってくれません。また、今のままで大丈夫です。良かったですねと言うのもお店にとっても保険会社にとっても何の利益にもなりません。

地域に密着して安心安全の代名詞のように思われていた郵便局の簡保でさえ、顧客の利益を無視して老後の大切なお金が消えて無くなってしまうような契約を結ばせてしまう事件が起きたことはご存知の通りでしょう。

今は有料で相談に乗ってくれるファイナンシャルプランナーなどもいます。お金を払えば安心して相談できるのでしょうか? 私はこれも疑問符を打ちます。もちろん、中には親身になって相談に乗ってくれる専門家もいるかもしれませんが、果たしてその人が正しいことを言ってくれているかどうか、あなたはどうやって判断するのですか? 専門家が言うのだから間違いないだろう、と言うのでは、その選択やアドバイスが正しいかどうかは分かりません。

もちろん専門家に頼ることがいけないと言ってるわけではなりません。相談するのも大いに結構です。しかし、少なくても最低ラインの勉強は自らして基礎知識を身につけ、理論武装をしていかなくてはいけません。

テレビなどのニュースで、老後の虎の子のお金を騙されて奪われてしまったと言う人が泣きながら「すっかり信用してしまった。悪い人には見えなかった。老後の大切なお金なのに」と話すのをどれだけ見たでしょう。そういう人たちは自分の人生を守る大切なお金なのに、きちんとした勉強をせずに、この人ならお金を増やしてくれるだろう、安心して任せられるだろうと思ってしまったのです。契約書にそう書いてあったから、と言う人もいますが、契約書自体が嘘だったら仕方ないことです。

私が100万円と1000万円を交換してあげると言って、みなさんのところに現れて、皆さんから100万円をもらって、1000万円のこども銀行の紙切れを渡したら、ふざけるな! と言って怒りますよね。それは、皆さんが本物のお金はどんなものなのか知っているからできるのです。ですから、保険についても本物かどうか、わからなければなりません。

また、生命保険などの勉強をするときは、本を一冊買ってきて一生懸命読んで理解して、分かったと言われる方がいます。それも注意していただきたいのです。はっきり言うと、本に書いてあることを疑いながら読むと言うことが大切です。なぜなら、その本自体が信用できないかもしれないからです。例えば、投資についての本があったとします。いろんな理由を数々とあげて、これからはIT関連の投資が得をする。アジアなどの経済成長が見込める国に投資するのがいいと書かれてあるとします。本には筆者の考えが、理論立てて、データも提示され説得力のある文章だったとします。しかし、それが本当に実現するかどうかは誰もわかりません。理論と実際は違うのです。また、理論そのものも、いろんな考え方があるはずで、理論自体が嘘ではないとしても、どれが正しいのかはわからないものなのです。

正しいことと正しくないこと、本当のことと嘘のこと。それらを判断するのも難しいものです。しかし、自分で専門家の書いた本を疑いながら読むと言うのはとても難しいです。ですから、ひとりの人の書いた本を読むだけでなく、違う意見の人の本も読んでみてください。 

難しい生命保険の用語が並ぶ本は、最初の1冊を読むのが一番大変です。しかし、一度それらに慣れてしまうと、2冊目、3冊目は案外さらっと読めてしまうものです。いろいろの筆者の、考え方や意見の違うものを何冊か読んで初めて使える知識になっていくものです。

僕は仕事がら、いろんな人の本を読みます。本は買う前に必ず書店で立ち読みします。で、目次と最初の3ページくらい読んでがっかりして買うのをやめてしまいます。ベストセラーといわれるものは、時には家に持ち帰って読むこともありますが、ああ、こんな本を信じ込んだら、将来、大変なのにと思うこと仕切りです。今もしたり顔をしてテレビやラジオで番組をやっているある女性の経済評論家がバブルとそれが崩壊した頃に家賃でマイホームが持てる! とマイホームの購入を囃し立てました。その時の住宅ローンの仕組みはひどいもので、それは国の政策で行われたものなのですが、その浅薄な意見を信じてマイホームを買った人の中には、今でも苦労しながら住宅ローンを返していたり、中には個人破産や人生を大きく狂わされた人も少なくないはずです。少なくとも大きな損失を抱えたのです。

それが、今はマイホームは買わないほうが、辞めておいた方がいいですと180度違うことを言っています。したり顔して、いい気なものです。私だったら、大変な住宅ローンを抱えて苦労されている方に、その苦境からどう抜け出すか必死に考えて、そのための本を書くと思います。いったい自分の過去の発言についてどう考えているのでしょうか? 私は呆れ返っています。 

バブルの時の株ブームの時に、いまは亡くなった経済評論家が、ある通信関係の会社の株が、まだまだ3倍以上は値上がりすると本を書いてベストセラーになり、大ブームになったのですが、その時が高値でした。どーんと下がってそのまま30年です。その経済評論家は、その後は知らんぷりして他の株式を推薦していました。専門家が言ってるのだから大丈夫だろうと思って、お金を払って本を買い、大切なお金を株に変えて、あっという間に大損してしまったのです。 

自分の生活や資産に関して、理論武装すること、そのために勉強は必要、さらに専門家の言うことも必ず疑ってみる。反対の意見を言う人、違った側面から評論する人の意見も聞いて検討してもらいたいと思います。 

携帯電話の見直しもそうですね。ある大手の携帯電話の契約をしていて、その代理店に言って、私はおたくの会社の契約のままの方がいいのか、他の会社の方がいいのか? と質問してもまともな答えが返ってくることはほとんどないでしょう。それは、イタリア料理のレストランに出かけて行って、もっと美味しい店、安くてオススメのイタリア料理店はありませんか? と聞いてるのと同じなのです。トヨタのディーラーのところに言って、私は日産や三菱の車に乗った方がいいか? と質問しているのとも同じです。 

ちょっと話がずれました。話を元に戻します。 日々の生活の中で、いつかは手をつけたいことがあると思います。時間を見つけてそれに取り組む必要があると思うのです。

それを忘れないように、ぜひ一覧表にしてみてください。一覧表にしておくことで、面倒だなあと思うことからも目を背けずに取り組まなくちゃと、忘れずにいられるからです。 例えば、僕の場合は次のようなリストがあります。
 
1、資産に関すること 
 2020年9月に迎える大口の定期預金の運用先を検討する
 毎月末に株式投資の中期運用方針の検討
 クレジットカード、ポイントカードなどの残高などのチェック(毎年8月)
 5年以内に所有する版画など、美術品の処分。
 2月末までに確定申告の書類を提出する。
 年金定期便の間違っている部分を申告すること。

2、日々の生活に関すること
 書斎のエアコンを新しいものにする。
 5年以上読んでいない本を処分する。綺麗なものはメルカリへ
 3年以上着ていない服を処分する。綺麗なものはメルカリへ
 3年以上見ていないDVDCDは全て処分する。メルカリで
 冷蔵庫の買い替えを検討する
 ベランダに面したカーテンを自分で洗う
 エアコンの掃除(6月末まで)←掃除用スプレー缶購入
 スマホの契約の見直し(2020年末まで)
 電気事業者の見直し 2020年7
 フランス語会話のテレビ放送を復習
 野菜中心の料理のレパートリーを新しく3つ増やす
 20年以上住んでいる今の賃貸住宅はそのままでいいのか考える
 ブルーノートの音楽ギフト券を無駄にしない。2021年1
 貯まった旅先の画像を整理する。3割くらい削除する
 健康診断(2020年9月)
 インフルエンザ予防注射(12月)
 キッチンの換気扇掃除を業者に頼む(年末まで)

3、生活習慣に関すること
 年末までに体重を5キロ落とすための計画を立てる
 自粛中の運動をどうするか考える
 服用しているサプリをホームドクターから意見をもらう

他にもあるのですが、こうして一覧表にしてみると、時間のかかるもの、頭を使うもの、身体を動かす作業系のもの、気分転換になりそうなもの、しばらく継続して取り組むべきもの。決まった日時までにしなくてはならないもの、毎年決まった頃に行わなくてはならないもの。向こう3年程度の中期的な目標など、いろいろとあるものです。家にいる時間がとても長い今だからこそ、今まで先延ばしにしていたことを取り組みたいものですね。


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亜紀書房・編集部:akichi@akishobo.com

(第7回・了)

この連載は月1回更新でお届けします。
次回2020年6月7日(日)掲載