輪島と漆
著者 | 【編】高森 寛子 【編】桐本 泰一 |
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価格 | 2,200円(税込) |
発売日 | 2025年6月24日 |
判型 | 四六判 |
製本 | 並製 |
頁数 | 128頁 |
ISBN | 978-4-7505-1878-7 |
Cコード | C0072 |
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内容紹介
◆地震と豪雨を経てもなお、輪島の漆文化を未来へつなぐ──
◇類い稀な工芸品として、現代アートとして、日常の漆器として、「輪島の漆」のこれから。
【特別対談を収録】
◉小森邦衞[人間国宝]×桐本泰一[輪島キリモト代表]
◉若宮隆志[彦十蒔絵プロデューサー]×桐本泰一
◉高森寛子[スペースたかもり主幹]×桐本泰一
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地殻変動によって海の底から陸地に現れた珪藻土、湿気の多い気候、厳しい自然によって、輪島塗は育まれてきた。
2024年1月の地震と9月の豪雨は、この地にまたしても試練を課してきた。
それでも、確かな技術に支えられた輪島の漆は、必ずや次の未来を連れてくるだろう。
小森邦衞[人間国宝]、若宮隆志[彦十蒔絵プロデューサー]、桐本泰一[輪島キリモト代表]、高森寛子[スペースたかもり主幹]……漆の仕事、能登の復興について、語ってもらった。
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【目次】
[対談]
◉小森邦衞×桐本泰一「大地震・水害を乗り越え 輪島の漆文化をいかに継続させるか」
◉若宮隆志×桐本泰一「アート、建築、日常……漆の可能性を求めて」
◉高森寛子×桐本泰一「バブル以降、使い手の裾野を広げるために」
[エッセイ]
◉高森寛子「輪島と輪島塗の記憶」
◉秋山祐貴子「はる なつ あき ふゆ どれも愛おしい──輪島の四季」
◉桐本泰一「産地・輪島塗の基礎知識」
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【執筆陣】
小森 邦衞(こもり・くにえ)漆芸家・人間国宝
1945年石川県輪島市生まれ。65年樽見幸作に沈金を師事。70年漆芸職人として独立。77年第24回日本伝統工芸展入選。86年第33回および89年第36回日本伝統工芸展NHK会長賞。2002年第49回日本伝統工芸展日本工芸会保持者賞。04年第14回MOA岡田茂吉賞工芸部門大賞。06年髹漆の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。14年重要無形文化財「輪島塗」技術保存会会長に就任。15年旭日小綬賞受賞。20年石川県立輪島漆芸技術研修所所長、石川県輪島漆芸美術館館長に就任。俳人としても知られ、16年に『句集 漆榾』(角川文化振興財団)を上梓している。
若宮 隆志(わかみや・たかし)彦十蒔絵プロデューサー
1964年石川県輪島市生まれ。84年塗師屋に就職、輪島塗の製造販売の基礎を学ぶ。88年喜三誠山師より蒔絵技法を教わる。98年平澤道和師より乾漆技法や漆の天日黒目など漆芸の基礎を教わり、漆搔きと漆木の植樹を始める。2002年輪島漆器青年会第三〇代会長を務める。04年「彦十蒔絵」として活動開始。14年文化庁文化交流使。漆芸家として作品発表を行う傍ら、「彦十蒔絵」のプロデューサーとして数々の作品を手がけたが、25年に逝去した。
秋山 祐貴子(あきやま・ゆきこ)
神奈川県生まれ。女子美術大学付属高校卒業。女子美術大学工芸科染専攻卒業。高校の授業で人間国宝の漆芸家・故松田権六の著作『うるしの話』に出合ったことがきっかけとなり、漆の道に進むことを決意。大学卒業後、漆塗り修行のため石川県輪島市へ移住する。石川県立輪島漆芸技術研修所専修科卒業。石川県立輪島漆芸技術研修所髹漆科卒業。人間国宝・小森邦衞氏に弟子入りし、年季明け独立。輪島市黒島地区で髹漆の工房を構えた矢先に、1月1日の震災に遭遇する。
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