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亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズV-4 ドイツ戦後史 1945–1955 瓦礫の上の民主主義

著者 | 【著】ハラルト・イェーナー 【訳】森内 薫 |
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価格 | 4,620円(税込) |
発売日 | 2025年9月24日 |
判型 | 四六判 |
製本 | 並製 |
頁数 | 560頁 |
ISBN | 978-4-7505-1889-3 |
Cコード | C0022 |
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内容紹介
◤なぜドイツ人はファシズムと決別できたのか◢
だれもが略奪に加わった戦後数年間を、人々は「狼の時代」と呼んだ。
権力に空白が生じた、その秩序なき時代に、
人は互いに反目し、猜疑の目を向けながらも
新しい道徳、自由、平等を作り出していった。
ドイツを改変しようする戦勝国の思惑を超え
清濁を合わせのみながら民主主義を紡いでいく、
その光と闇を克明に描き出すベストセラー。
***
◤第二次大戦は、ドイツの都市を瓦礫の山と化した。
そこは、新しい社会を築くための実験場となった。◢
廃墟を片付ける女性たちの自立と連帯、
ダンスや恋愛に興じ、刹那を生きる都市文化の広がり、
闇市をしたたかに生き抜く子供たち……
飢えと暴力が深刻化する極限の状況においても
ドイツの民衆は、日々を生き延びる活力を失わなかった。
アメリカ、ソ連の文化政策を激しく拒絶し、
自身の責任から目を逸らしながらも
ドイツ人はやがて、身の回りの変革を通して
自己の精神を変革し、新しい文化を育んでいった。
後の世代から厳しく非難され、これまで顧みられることがなかった戦後の数年間。
豊富な資料をひもとき、市井の人々の暮らしに目を向け、
その時代が宿していた新たな社会の萌芽を見出して
国内外から高い評価を受けたベストセラー。
***
【目次】
はじめに
1.零時?
かつてこれほど多くの始まりがあったことはなく、これほど多くの終わりがあったこともなかった。
2.廃墟
いったいだれがこれらすべてをもう一度きれいに片づけるのか? 瓦礫撤去作戦
廃墟の美と廃墟ツーリズム
3.大移動
解放された強制労働者とさまよう囚人──永遠のホームレス
追放された人々。そしてドイツ人の、自分自身への衝撃的な出会い
道の上で
4.ダンスへの熱狂
「私のかわいそうな、破壊されたマインツ」
5.リーベ一九四七
焼け焦げた男たちの帰還
コンスタンツェは世界を巡る
生に貪欲、性に渇望
女余り──少数派であることが男性を優位にした
東の、無防備な人々
ヴェロニカ、ダンケシェーン、西独にて
6.盗み、配給、闇市場の取引──市場経済へのレッスン
最初の再配達──略奪の仕方を学ぶ市民たち
配給券のロジック
小さな泥棒の国家──個人のイニシアチブと犯罪性
市民権の学校としての闇市場
7.経済の奇跡と不道徳の不安
通貨改革、第二の零時
ヴォルフスブルク、人間のプランテーション
スタートアップ:ベアテ:ウーゼは訪問販売のかたわらビジネスモデルを発見する
ドイツは汚物の中で溺れているのか? わがままへの恐怖
8.再教育者たち
連合国はドイツ人の心理改革を始めた
9.芸術と民主主義のデザインの冷戦
芸術への飢え
抽象芸術は、社会的市場経済をいかに装飾したか
キドニー・テーブルはいかにして人々の思考を変えたのか
10.抑圧の音
沈黙、会話、気乗りのしない間隔詰め
現実になってしまった奇跡
あとがき 幸福
謝辞
訳者あとがき
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