シネマテーク@メリダ
午前8時起床。パッキングをあらかた済ませて朝食へ。少し遅れてマルタとアウグストが来た。マルタはレストラン内で『セノーテ』関連のオンラインインタビューを受けている。
アウグストに、彼の映画についてじぶん含めみんな各々の意見を言ったかもしれないけど、誰の意見も聞かなくていいことを伝える。
朝食後、書きものを半分だけして、チェックアウトの時間となった。
移動型映画館TOTOのディエゴとマニエラにお礼を伝え、集合写真。本当にお世話になった。また一緒になにかできれば嬉しい。じぶんは今日帰国するが、彼らは4/24まで町々での『セノーテ』上映を続けてくれる。
メリダに帰る道中はずっと寝落ちしたままだった。アウグストに申し訳ない。
1時間半後、メリダに到着。最後の食事はナチョスが食べたかったので、到着してすぐレストランに入った。黄色く発色している、健康に悪そうなチーズがかかっているのがナチョスだと思っていたら、お肉のなかにグアカモレが大量にかかったナチョスがきた。このかたちもメリダでは一般的、とアウグスト。
食事途中で、映画と上映旅についてインタビューをしてくれる人と落ち合った。「メキシコにまた戻ってきて次の作品をつくる？」という質問に、「メキシコに、というよりは、マルタやアウグストたち、友人らがいる場所でまた一緒になにかできたら嬉しい」と答えた。
このインタビューで話題に上ったか忘れたが、メキシコで四元素の四部作をつくったらどうかという話がマルタから出た。『セノーテ』はその1つ目の「水」で、これから「火」「土（地球）」「風」。プロデュースしてくれるという。
パンデミックもあったが、『セノーテ』はここまでくるのに6年かかった。次のほぼ20年、メキシコとの行き来。実現するかはじぶんたち次第だが、『セノーテ』もはじまりは、身も蓋もないこんな会話からだった。（じぶんは日本での映画制作、映画興行に対しても可能な限り丁寧に取り組みたいと思っているので、もしかしたら四部作完成までに50年くらいかかるかもしれない。となると86歳、生きているだろうか。）
Yにも質問があった。「メキシコでの上映体験を、日本での上映経験と照らし合わせてみて、なにか思ったことはありますか？」
「日本では、映画館があるから、宣伝などは懸命にしても、お客さんを映画館で待っています。メキシコでは、各所にこちらから持っていくというのが、新鮮だった」とY。
今回のような巡業は、メキシコから助成金を得られたから成せた。
映画が共有される際のかたちは、状況に沿って様々あるべきなのだろうと思う。映画館、映画祭、自主上映、移動上映、配信、有料無料、バリアフリー。
Yの意見に、じぶんもはっとさせられた。
インタビュー後、お土産を集めに3時間ほど歩き回った。マルタが調べてくれたちょっとおしゃれなお店を数件、たまたま目に入ったお店をこれまた数件、最後に巨大なスーパーマーケットでトルティーヤやサルサ、お菓子を買い込み、スーツケースを埋め尽くした。買い物は得意でないが、日本にいる家族や友人たちの顔を思い出しながらあれこれ考えるのは楽しかった18:30。
20:40のフライトなので急いで空港へ向かった。車内、スーパーで買ったアイスで、最後の乾杯。
チェックイン時に、Visit Japan（？）というサイトから入国登録しないといけないと言われ、困惑した。カウンターにいた方もよくわかってなさそうだったし、マルタとYと相談した結果、たぶんしなくて大丈夫だろうとなった。
話しながら手荷物検査場に一緒に入ろうとするマルタにアウグストが注意していて笑う。
余韻に浸る時間なく、メリダを発った。
メキシコ・シティに到着し、成田へ。約14時間。行きとは違い、ほぼ寝ていた。『I Am Legend』という映画を途中みた。ウイルスにかかった相棒の犬が完全に変貌する前に、胸のなかで窒息させた主人公。犬が死んだ途端、隣にボテッと物のように放り出したのが記憶に残った。
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成田に到着。検疫の場所で、ちょいちょいと手が振られたので立ち止まった。年配の女性が近づいてきて、手首で熱を測っている。え？と思っていたら、「なんじゃこら。Go Go!」と言われた。なんじゃこらは、こっちのセリフだと思う。
浮腫んだ足で羽田に移動。なにを思ったか、wifiの返却場所を羽田にしていたため、羽田に到着してからターミナル1→ターミナル2→ターミナル3→ターミナル1と、返却ボックスを探して空港を制覇することになった。1回目のターミナル1でカレーうどんを食べていて良かった。
羽田から伊丹へ。もう少しで家。梅田まで出て、タクシーで家に向かった。
帰宅。熱いシャワーを久しぶりに浴びて、蕎麦をつくって、メールをいくつかだけ返し、眠った17:00。
マルタから4/20に行われたソトゥタとシネマテーク@メリダでの二度目の上映の写真が来た26:00。
